立派なフランス文学だと言っておく。
サドの本を読んだからと言って、マウスキーが変態になるというわけではない。
この本のストーリーは、美徳を守り貫こうとしている主人公ジュスチーヌに、様々な種類の、色んなレベルの変態が行く手を塞ぎ、美徳論と変態論の議論を重ね、戦っていく、そんな話である。
実のところ、「クイルズ」という映画を観た。
その映画の映像や、ジェフリー・ラッシュのサド役が凄く良かったので、思わず「サドの本を読んでみよう!」と、決断して本屋に走って購入したのだ。
今ではサドの色々な本が出ているようだが、当時は選ぶ余地はなかった。
手に取り、映画で語られているような感じの話なのかどうか、好奇心のまま読み進めた。
そして、読み進めていくうちに、マウスキーは次第に怒りを感じはじめた。
美徳、美徳と言いながら、主人公のジュスチーヌはどうやら美徳レベルが1か、2ほどしかなかったらしい。
手始めに出てきた、雑魚級の変態に負けてからと言うもの、ずっと負けっぱなしなのである。
どんな対決かと言うと、ジュスチーヌは「変態はいけない。人が嫌がる事したらいけない。清く、正しく、美しく、これが人の三原則」みたいな事を長々と語り、変態に挑むのだ。
すると、変態も負けてはいられない。
負けないほど長々と、「自分は変態である自分にプライドを持っている。何故、自分の趣向が素晴らしいのかというと、云々」と、本当に長いスピーチをするのだ。
すると、ジュスチーヌは、「そっか・・・趣味はそれぞれだもんね。価値観の押し付けは良くないのかな」的に、一度の議論に負けたからと、自分の主義主張を諦めるとくる。
一体お前は何がしたいんだ!! 変態よりお前が謎だ!
怒りながら、マウスキーは気が付いた。
変態を越える変態、それが主人公ジュスチーヌに違いない!
きっと、想像を絶する超ドMなのだ。
読み終わってから、一体、何人の変態が出てきただろう・・・と思い出そうとしても、マウスキーはそれを思い出す事が出来なかった。
変態図鑑と言ってもいいほど、色んな変態が出てくるのだ。
途中は、第二形態に進化してパワーアップしてきた変態もいたと思う。
とにかく、ありふれた変態、ちょっと珍しい変態、レアな変態──この本を読むと、そんなユニークなキャラクター達に会う事が約束されている。
主人公ジュスチーヌは、他でもない、この色んな変態の誇りを持つ、ステキなキャラクターの引き立て役だっただけにすぎなかったのだ。
本当に、変態にもリア充が存在するのかと思うほど、彼らは人生を謳歌していた。
そんな、色んな変態を探しに行こう、という気持ちで読み進めると、とても楽しいかもしれない。
そんな感想である。
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