正に、マウスキーが読んだのはこちらの本である。
本当は、メリメの「偽ドミトリー」目当てで中古本を購入したのだが、ついでにボヴァリー夫人も入っていたので、まぁ、読んでみるかと軽い気持ちで読んだのが始まりだ。
読み始めてからしばらくして、物凄く後悔した。
何といっても、長かった。
小さな文字で二段になった形式で印字されているページで、ざっと253ページもあったのだ。
その253ページを読んでいる間、マウスキーは一体何が原因でずっとウダウダ言っているのか、本当に理解できず、理解できないまま読み進めていたので、全く理解できなかった最悪の読破となった。
ストーリーをざっくり紹介しよう。
ボヴァリー夫人という女の人が、理想とかけ離れた凡庸な男と結婚していて、夢を捨てられず、されど現実から逃れられないという、ロマン派のあるある葛藤物語だったと思う。
亭主が凡庸で幻滅、毎日退屈とか言って過ごしていて、浮気とかでハッスルしている挙句に、借金してでも贅沢品を買うのが大好きという恐ろしい女の話である。
最後は借金で首が回らなくなって、愛人の男にお金の無心をしに行くのだが、本気でそんな大金を持っていなかった愛人の男は「持ってないし、ごめんね」と言う。
ところが、ボヴァリー夫人はそれを許さない。
「本当は持ってるのに出す気がないんだろうが!」と、態度を一変させて、怒鳴り、暴れ、喚き、罵るのである。
もはや、百年の恋も一瞬で冷める瞬間だ。
結局、何もかも思い通りにいかなくなったボヴァリー夫人は自殺をしてしまう、そんな話だった。
夢と現実との間で葛藤したりすることを「ボヴァリスム」とかいう言葉が出来たりなど、当時は話題の作品だったらしい。
しかし、マウスキーは再読は100%しない。
それは、ボヴァリー夫人が恐ろしすぎたからである。
果たして、ここまで男を食い物のチョンする事が出来る女キャラクターが、他にいたであろうか?
悪女の代表格「カルメン」や「サロメ」でも、もっと人に真摯だったし、そこまで悪くないんじゃないかなと思ってしまうほどだ。
本当に、こういう妖怪みたいな女性には気を付けて下さい。ほんと、恐いですね。
そんな感想である。