2017年3月12日日曜日
「オオカミ王ロボ」 シートン・著
忘れもしない・・・・。
マウスキーが本を嫌いになった原因の話が、「狼王ロボ」だった。
この本との出会いは、マウスキーが幼稚園の年中ぐらいの時である。
本棚にあった、「名作シリーズ」という児童書の中から、退屈しのぎにどれか読もうと思い、本を手にしたのだ。
そして目に止まったのが、この本だ。
きっと、狼の王様が国を統治している話に違いない・・・そんなメルヒェンの中に住んでいた頃だ。
話としては、全く違う。
天才狼のロボは、どの狼よりも強く、頭が良かったため、村を幾度となく襲われる村人に脅威であった。
そこら辺の狼とはケタ違いに頭がいいので、どんな策や罠を仕掛けても、全部見抜いてしまうのである。
とうとう、村人は、この狼に懸賞金をかけ、お尋ね狼にしてしまうほどだ。
そして、賞金稼ぎがやって来て、狼王ロボと知能戦を繰り広げる。
賞金稼ぎは、狼王ロボの奥さん狼を罠で捕まえ、その死体を使って最後はロボを捕獲するのだ。
子供のマウスキーは、人間への怒りでいっぱいになり、ロボの不幸に涙したものだ。
ロボの運命を思い、人間に生まれた事を呪うほどであった。
しかし、実際はどのような本だったのかが気になり、最近手に取って、改めて理解する事が出来た。
実に面白かったし、そんなに泣くほどではなかった。
寧ろ、人間と並んで懸賞金がかけられる狼なんて、凄すぎるのではないだろうか?
そんな、壮絶な人と狼のプライドをかけた戦いを、淡々と語っている、とても面白い話であり、再読という事は大事だと感じさせられた一冊である。
登録:
コメントの投稿 (Atom)
人気の投稿
-
言い訳ではないが、この「読書の書」ブログは完全に個人用のブログにする予定だった。 密かに自分の読んだ本をカウントしていこうと思っていたのだが、ある日突然友人からブログを開設していた秘密を知られていることが発覚した。 ・・・どうやら、「ユーザーのみ」にしようと思っていた...
-
立派なフランス文学だと言っておく。 サドの本を読んだからと言って、マウスキーが変態になるというわけではない。 この本のストーリーは、美徳を守り貫こうとしている主人公ジュスチーヌに、様々な種類の、色んなレベルの変態が行く手を塞ぎ、美徳論と変態論の議論を重ね、戦っていく、...
-
これを読破するのに、かなり時間がかかった。 それというのも、前半で読む事を挫折して本棚に封印をするのだが、やはり頑張って読んでみようと思って取り出して読み、やっぱり前半で挫折する。 結局、そんな事を数年間繰り返し、いい加減に心を無にして読んだという、思い出深い本である...
-
三島由紀夫を読もうと思った時、それほど長くなくて、有名作であるという理由から、こちらを読む事にした。 途中で色々と混乱するかもしれない挙げ句に、結局のところ「よく分からんかった・・」という感想を持つのではないか、と思ったのだが、どうしても三島由紀夫の文章を読みたいという...
-
物語のあらすじは、ウェルテルがロッテという人を好きになるのだが、生憎ロッテにはアルベルトという婚約者がいて、後々にその相手と結婚もしてしまう。 悩むウェルテルは、恋愛もうまくいかない、人ともうまくいかない、当然仕事もうまくいかない、何もかも思い通りにならない。 挙げ...
0 件のコメント:
コメントを投稿