2017年3月24日金曜日

「異邦人」 カミュ・作



有名な小説で、でも短編で、読みやすい小説である。

その割には、あまりよく分からなかった。

ストーリーは、感受性に乏しい主人公がいて、暑いという事を理由に人殺しをするという話だ。

何で殺したのか、というと、「暑かったから?」としか答えられないほど、感受性に乏しいのだ。

そんな主人公についてのあれこれを書いてはいるが、結局のところ、主人公は殺人の罪で死刑になる。

読んだ感想としては、「暑いから」と言って人を殺すなどというやつは、死んでも特に不思議はない。

寧ろ、死んで、生まれ変わって一からやり直すべきだと思った。

だが、もっと掘り下げて考察をしてみるべきだ。

例えば、逆説的に「暑い」という理由で人を殺して許される奴はどんな奴なんだろう?

そう考えた時に、思い当たる人物が・・・・そう、「ドラゴンボール」のフリーザ、その人である。

彼なら、「ちょっと退屈だったので」と言いながら、ビームで星を爆破したって、「さすがフリーザ」と言われる事だろう。

つまり、「暑くて眩しい・・・」といらだっている最中に、水しぶきをかけてきた人間がいたら、八つ当たり程度に「こっちは暑くて苛立ってるところなんですよ!」と言いながら、ビームで人を殺したって、納得の出来る結果となる。

そうか……「異邦人」の主人公の前世はきっと、フリーザみたいな人間だったに違いない。

だから、「何で殺したんだ!?」と、戦闘力がゴミ並の人間たちが騒いでも、鼻先で「全く、何を騒ぐ事があるんですか。暑いからに決まってるでしょう」と、余裕100%で思うに違いない。

しかし、フリーザみたいな気持ちでも、フリーザほど強くない「異邦人」の主人公は、逮捕されてしまい、法に従わなければならなくなる。

その結果、「あなた達に話す事などありませんよ」と、戦闘力が1~5の人間たちを見下しながら言い放ったのだろう。

そうか・・・そういう事か。

そんな考察を経て、やっとの事でマウスキーはこの小説について納得する事が出来た。

やっぱり、暑いからと言って人を殺すのはよくない、それは人間に非ずという普通の解釈しかできなかった。

そんな難しい話であった。

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