2017年7月15日土曜日
「黒猫」 エドガー・アラン・ポー・作
姉マウスキーが一押しの本がエドガー・アラン・ポーだった。
それは中学生の時で、さすがに気持ちが悪そうな本なので読む気にならず、断り続けていた。
しかし、姉マウスキーが音読をし始めてくれたものだから、もう読むしか道は残されていなかった。
そんなきっかけがあり読んだ黒猫。
大分昔なので、ずいぶんと忘れてしまったのだが、ざっくりとあらすじを紹介する。
主人公は動物好きな男で、妻も同様に動物が大好き。そんな二人は黒猫を買っていたが、主人公はアル中になって、飼っていた猫を虐待して最後には殺してしまう。
事後後悔というものほど救いがたいものはないが、この主人公は殺した後に後悔したので、殺した猫とそっくりな黒猫を飼って、今度こそ可愛がる事にする。
だが、主人公は、猫が昔の猫とどんどんそっくりになるという事で、やっぱり殺す事にするのである。
しかし、うっかりと猫をかばった奥さんを殺してしまう事になり、動物殺しからとうとう人殺しにランクアップするのだ。
とりあえず、地下の壁に奥さんの死体を埋めて、綺麗に周囲となじむように壁を補修し、いい仕事をする。
ところが、警察の捜査が入ってしまうのだ。
主人公は、そして、いい仕事をしたという事を、警察の前で自慢したい衝動に駆られ、やたらと「この壁ってすごくないですか」とかなんとか言い出し、頼みもしないのに自分が補修した壁を紹介しだすのだ。
そして、壁を壊して見せて、中の奥さんの死体を警察にお披露目する。
確か、その時、死体と一緒に黒猫の死体があったか、なかったか、そこは覚えていないが、お前が一番に怖いだろ・・・というのに、何だかそれを見て「ゾッ」としたみたいな感想を最後にしていたと思う。
まぁ、そんな感じの、ちょっとイカれた世界で、ダークで詩的な雰囲気満載の物語である。
雰囲気は嫌いではないが、動物虐待に上乗せして、動物殺しの話ともなると、その時点でマウスキーは生理的にアウトだった。
もしかすると、あまり好きじゃない話No1の「ごんぎつね」の次にくるぐらい、ちょっと苦手な話であった。
登録:
コメントの投稿 (Atom)
人気の投稿
-
言い訳ではないが、この「読書の書」ブログは完全に個人用のブログにする予定だった。 密かに自分の読んだ本をカウントしていこうと思っていたのだが、ある日突然友人からブログを開設していた秘密を知られていることが発覚した。 ・・・どうやら、「ユーザーのみ」にしようと思っていた...
-
立派なフランス文学だと言っておく。 サドの本を読んだからと言って、マウスキーが変態になるというわけではない。 この本のストーリーは、美徳を守り貫こうとしている主人公ジュスチーヌに、様々な種類の、色んなレベルの変態が行く手を塞ぎ、美徳論と変態論の議論を重ね、戦っていく、...
-
三島由紀夫を読もうと思った時、それほど長くなくて、有名作であるという理由から、こちらを読む事にした。 途中で色々と混乱するかもしれない挙げ句に、結局のところ「よく分からんかった・・」という感想を持つのではないか、と思ったのだが、どうしても三島由紀夫の文章を読みたいという...
-
これを読破するのに、かなり時間がかかった。 それというのも、前半で読む事を挫折して本棚に封印をするのだが、やはり頑張って読んでみようと思って取り出して読み、やっぱり前半で挫折する。 結局、そんな事を数年間繰り返し、いい加減に心を無にして読んだという、思い出深い本である...
-
物語のあらすじは、ウェルテルがロッテという人を好きになるのだが、生憎ロッテにはアルベルトという婚約者がいて、後々にその相手と結婚もしてしまう。 悩むウェルテルは、恋愛もうまくいかない、人ともうまくいかない、当然仕事もうまくいかない、何もかも思い通りにならない。 挙げ...
0 件のコメント:
コメントを投稿