有名な小説で、でも短編で、読みやすい小説である。
その割には、あまりよく分からなかった。
ストーリーは、感受性に乏しい主人公がいて、暑いという事を理由に人殺しをするという話だ。
何で殺したのか、というと、「暑かったから?」としか答えられないほど、感受性に乏しいのだ。
そんな主人公についてのあれこれを書いてはいるが、結局のところ、主人公は殺人の罪で死刑になる。
読んだ感想としては、「暑いから」と言って人を殺すなどというやつは、死んでも特に不思議はない。
寧ろ、死んで、生まれ変わって一からやり直すべきだと思った。
だが、もっと掘り下げて考察をしてみるべきだ。
例えば、逆説的に「暑い」という理由で人を殺して許される奴はどんな奴なんだろう?
そう考えた時に、思い当たる人物が・・・・そう、「ドラゴンボール」のフリーザ、その人である。
彼なら、「ちょっと退屈だったので」と言いながら、ビームで星を爆破したって、「さすがフリーザ」と言われる事だろう。
つまり、「暑くて眩しい・・・」といらだっている最中に、水しぶきをかけてきた人間がいたら、八つ当たり程度に「こっちは暑くて苛立ってるところなんですよ!」と言いながら、ビームで人を殺したって、納得の出来る結果となる。
そうか……「異邦人」の主人公の前世はきっと、フリーザみたいな人間だったに違いない。
だから、「何で殺したんだ!?」と、戦闘力がゴミ並の人間たちが騒いでも、鼻先で「全く、何を騒ぐ事があるんですか。暑いからに決まってるでしょう」と、余裕100%で思うに違いない。
しかし、フリーザみたいな気持ちでも、フリーザほど強くない「異邦人」の主人公は、逮捕されてしまい、法に従わなければならなくなる。
その結果、「あなた達に話す事などありませんよ」と、戦闘力が1~5の人間たちを見下しながら言い放ったのだろう。
そうか・・・そういう事か。
そんな考察を経て、やっとの事でマウスキーはこの小説について納得する事が出来た。
やっぱり、暑いからと言って人を殺すのはよくない、それは人間に非ずという普通の解釈しかできなかった。
そんな難しい話であった。
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