一応、読む事は読み通した本である。
ヘルマン・ヘッセは、詩集を先に読んでいたので、小説も読んでみよう、というノリだった。
ストーリーは、主人公のハンスが、勉強とか、生活とか、自分のしたい事とか、そんな色々なものに頑張って苦労していく話である。
そして、何故だかマウスキーはこの本を手に取った時に、「車輪の下に押しつぶされる話なのだろうか?」と、タイトルのインパクトで思ってしまったのが悪かった。
ページをめくり、ページをめくり、頭をよぎる事といえば、「一体、いつ主人公は車輪の下に下敷きにされるのだろうか?」とか、「車輪の下に主人公が下敷きにされるわけではなく、誰かが車輪の下敷きになるのだろうか?」と、完全に「車輪の下」の呪縛に縛られてしまったのである。
おかげで、色々と大変そうなハンスについてを読みすすめながらも、なかなか集中出来ないでいた。
そして、読み終わった時に気が付いた。
誰も車輪の下に潰されるわけではないと──。
ヘルマン・ヘッセは詩人だし、直接的に車輪に潰される話で、「車輪の下に」なんてタイトルをつけるわけがない。
しかし、読み手側の気持ちは、確かに車輪に押しつぶされたかのような、重たくてたまらない気持ちにさせられたのは確かだ。
きっと、マウスキーはドイツ文学と相性が悪いのかもしれない。
とにかく、感想にしたらそれに尽きてしまう。
しかし、分からないが故に、まだまだドイツ文学へチャレンジしようと、今後も頑張るきっかけとはなった。